2016年05月22日

シベリア鉄道とバイカル湖の旅 2

@ シベリア鉄道
シベリア鉄道は『ロシア号路線簡略図』にモスクワとウラジオストックまでの駅名と里程が示され、全長9259KMで世界最長の鉄道である。我々が乗るハバロフスクからイルクーツク間は2884キロで、日本列島をほぼ縦断したようなものだ。

 我々はホテルに着き、アムール川展望台を散歩した。眼下に広がるアムール川の岸辺には、水着姿の川水浴客が楽しそうに群れていた。ホテルに戻り初めてのロシア料理の夕食は、キュウリのサラダ、水餃子、鶏肉の天ぷら、牛肉の巻物、ポテトなどで、生ビールは200ルーブル(約700円)だった。夕食後、アムール河畔を散策した。現地通訳の李さんが「アムール国境紛争」を解説してくれた。ゴルバチョフと胡錦濤の「中ロの知恵」で解決したとの話に、「日本の北方四島」解決の知恵にはならないか、との声が上がった。

 22時30分ハバロフスク駅に行き、各自がデコボコのプラットホームでトランクを引きずり、長い階段と跨線橋を渡り乗車ホームに降りた。だが乗車位置が違うと言われ、また凸凹のホームを移動。高い列車のデッキに乗り込むのも大変だった。我々チームは4号車の全室と5号車の3室を独占した。4人部屋の上下2段を二人で使う一等車なみのデラックスぶりで、何の案内もなく、深夜12時定刻に走りだした。

 夜トイレに起きて外を眺めると雨模様。明け方の通過駅近くでは鉄道関係者らしき人影と粗末な住宅が行きすぎるが、後は白樺林と草原が延々と続く。ベロゴルスク駅に着き30分ほど停車。ホームに降りて体操で体をほぐし、女性車掌さんの記念撮影を。食堂車で食べた揚げパンにジャムを付けた朝食が旨かった。食後に行われたみどり先生の「ロシア事情」は興味深く、「ウラジオストク」は「ウラジ・オストーク」の発音が正しく、「ウラジ→征服」「ボストーク→東」の意味だとの解説を傾聴した。みどり先生の「ロシア事情」は毎食後行われた。「ロシア正教」「地球の陸地の6分の1はロシアの国土」「ウラルからイルクーツクがシベリア、イルクーツク以東は極東ロシア」など、ロシアの歴史や膨張主義、同時にロシア人の純朴さも窺えた。だがロシア語学習はみどり先生の熱烈な指導にもかかわらず、「スパシーボ=ありがとう」だけしか覚えられなかった。

 やや晴れてきた草原と地塘の中を列車はひた走る。我々は食堂車でロシア料理の三食を摂り、腹減らしにコーラスをしたり、最後尾の車窓から「日本の尾瀬」のような色とりどりの花が咲き乱れる湿原をカメラに収めた。中国の「満洲里」に通じる「チタ駅」を3日目の夕方6時半に通過した。この辺りには原住民・ブリヤート人が多いのだそうだ。 夜中にトイレに立つと、通路に荷物を抱えたモンゴル系(顔立が相撲の白鵬のよう)の夫婦が心配そうに外を眺めていた。次の停車駅はウラン・ウデ駅で、ここで乗り換え南下するとモンゴルの首都・ウランバートルに通じている。母国・モンゴルへ帰るようだが、4時間くらい遅れているので乗り換え時間を気にしているのだろう。8時過ぎに列車はバイカル湖畔に出た。30両を超えるこのロシア号の長い車列が、山襞をくねって走り抜ける姿を、車窓から覗いてカメラにキャッチした。辺りの地形や地質から工事の難航が察しられた。

 12時、ようやくイルクーツク駅に着いて、【シベリア鉄道の旅】は終わった。ハバロフスクから60時間もかかって着いたイルクーツクの空は、明るく、青く、澄んでいた。

つづく
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2016年05月14日

シベリア鉄道とバイカル湖の旅 1


はじめに
クラシックスキークラブ(以下CSCと略す)という、スキーヤーの愛好団体がある。スキー企画の中に、{蓼科めぐり}という企画があり、ホテル東急ハーベストに宿泊し、蓼科近辺の「ブランシュ鷹山」「富士見パノラマ」「ピラタス蓼科」などのスキー場を滑りまくる。夜はホテルの食堂で、ワインを飲みながらフランス料理を味わい、スキー談義と友人の消息、夏の予定など四方山話に花が咲く。2013年2月、常連の一人でロシア語ベテランの河島みどり女史が《松本さん、この夏にシベリア鉄道に乗りに行くのよ》と言いだし、周りの仲間が《素敵な企画ね》と声を挙げ、松本も即座に参加を申し出た。

2013年7月16日、20名の参加者が11時30分成田を飛び立ち、ハバロフスク空港に16時20分に着き(時差2時間)、シベリアの旅が始まった。1日目成田→ハバロフスク、2日目深夜発→車中泊(3食食堂車で)、3日目車中、4日目イルクーツク着→ブリヤート人集落、市内観光、5日目市内観光、バイカル湖畔・リストビヤンカ→船でバイカル湖畔の自然保護区(泊)6日目湖畔のハイキング、船でイルクーツクに戻り、深夜空路ハバロフスク、7日目ハバロフスク市内観光、アムール川のミニ・クルーズ(泊)8日目日本人墓地墓参、ハバロフスク空港、成田空港着。
初体験、初感覚のことが多く、キリがないので、『7つのエピソード』にまとめてみた。
続く

松本浩次郎
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